2016年05月31日

ある日。


「ある日」

ある日
会社をさぼった
あんまり天気が
よかったので

公園で
半日過ごして
午後は
映画をみた
つまり人間らしくだな
生きたいんだよ僕は
なんて

おっさんが喋っていた
俳優なのだおっさんは
芸術家かもしれないのだおっさんは

ぼくにも かなしいものが すこしあって
それを女のなかにいれてしばらく
じっとしていたい


辻征夫さんの詩。

夕方、電車の中、座席に座り読む。
不意に泣けてきたものだから座って俯いていると涙が垂れてしまう。サッと座席を立ち、吊り広告を見るふりをしながら流れそうになる涙をとめる。
「不意をつかれる」ということが時々ある。
ぼんやりしているときにそれはよくある。
なんとなし、開いたページや、ふいに目にした看板の文字。
街にある落書き、電柱や標識に貼られたステッカーの中の短い言葉。
偶然か、思い込みか、「今」の全てを肯定してくれるようなものが多い。

一年前の今頃、近所の蕎麦屋で昼食をとっていた。
新聞を開いて最初に目に飛び込んできた言葉。
「感性にまっすぐ届く作品群はひとつ誤ると退廃に転ぶ」
この日、ブツブツと念仏を唱えるようにこの言葉を口にしながら
どういうことなのか、ずっと考えるいちにちがありました。





posted by 見汐麻衣 at 19:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月23日

アル中ハイマー

と、いう造語を作ったのは山田風太郎氏だったと思う。
気になって、山田氏の随筆「あと千回の晩飯」(朝日文庫)を読む。
やはり、そうだった。アル中ハイマー。最近お酒を呑みながらふとこの言葉が浮かぶ。そして一人で苦笑してしまいます。

本を読み直していて、下記の文章に掴まる。
「(前略)自分と他者の差は一歩だ。しかし人間は永遠に他者になることはできない。自分と死者との差は千歩だ。しかし人間は今の今、死者になることができる。」
「私に〈あの世〉への親近感などない。それはないがこの世への〈違和感〉ならある。いわゆる厭世観(ペシミズム)というやつか。ただし、ほんのちょっぴりとだが。ほんのちょっぴりだが、この深層心理が私に平然と煙草をのませ、大酒を呑ませる原動力となっているようだ。」
著者は自分のことを「意識の底にいつも死が沈殿しているのを感じている人間だ」と、書いている。
何の外因がなくとも、生よりも死に憧憬を強く抱く人間がいるんだということは、今ならなんとなくでしかないがわかる。そういう気配を漂わせている人というのは確かにいる。そういう人と話していると、この世を浮子のようにプカプカと浮くことはせず、流されることもせず、常人には大抵理解できない思考でものごとを見て、感じている気がする。それはきっとものすごい労力なんじゃないかと思う。身体を使う労力とは異なる、考える労力。
「なんであの人が......」と皆が驚くような人が自死を選択するのをニュースや身近でもいくつか聞いてきた。
きっと常人にはわからないものなのだと思う。悲観などではなく厭世観によってそれを選んだ人の思考や気持ちなど、理解してもらいづらいだろうし、理解するなどという類いのものではないとも思う。思うのだが、個人的にはこの世に絶対的な絶望だけを感じとってしまっても、死にきれないという人の方が愛しいと思ってしまう。可能性や希望なんていうまやかしの言葉はもう信じてもいないけれど、地獄は地獄と腹を据えて仕方なくでも生きている人の方が愛おしくないですか。
そして私ときたら悪趣味かもしれませんが、そういう人に憧憬を抱いてしまいます。






posted by 見汐麻衣 at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月18日

見汐、夏の北陸ツアー 長野、福井、富山へ行きます。

長野、福井、富山とソロで行くのは全て初めてです!とても楽しみです。
今回「ひきがたり4」を作って持っていこうと思います。「ひきがたり3」もあと少しあるので持っていきます。
北陸の皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
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7月1日(金) @長野ネオンホール
open19:00/start19:30 予約2,000円/当日2,500円(+1d 500円)
ACT▼
見汐麻衣
mmm
PIKA(あふりらんぽ)

□5年前お互いソロで東北ツアーに一緒にまわったピカチュウと久しぶりに共演です。そして、アニス&ラカンカでも一緒にやっているマイリルシス、ミーマイモーも一緒です!とてもいい夜になる予感がしています。

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7月2日(土) @福井FLAT (flat kitchenビル2階)
「Yurulinokai vol.0002」
open18:30/start19:00 予約2,000円/当日2,500円(+1d 500円)
ACT▼
見汐麻衣

□この日はワンマンです。ソロでのワンマン、しかも初めて一人で行く福井。どのくらいの方がご来場してくださるのか、緊張していますが初めての土地で歌えるというのはそれだけでほんと、嬉しいです。福井の皆様お待ちしております!

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7月3日(日) @富山 Hotori(富山県富山市中央通り1-2-13 2F)
「めざめ」
open18:30/start19:00 予約2,000円/当日2,500円(+1d 500円)
ACT▼
見汐麻衣
テライショウタ(Gofish / NICEVIEW)
ゆーきゃん
DJ 空中水泳
VJ north

出店:niginigi BOISUN CURRY

ご予約 / お問い合わせ:
awakeninglivetoyama@gmail.com

□ゆーきゃん、テライさんと一緒にやるのは久しぶりなのでこの日もとても楽しみにしております。富山の皆様お待ちしております!

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「ひきがたり4」のツアーを改めてまた組もうと思っています。今回はピアノを弾いてくれている野田薫氏を引き連れて(彼女はSSWでもあります。)行けたらと思っています。その際はまたお知らせ致します。

今年の夏も楽しく暮らせているといいな。
posted by 見汐麻衣 at 18:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 見汐麻衣SOLO LIVE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月14日

一週間に十日来い。

ほんと、いいタイトルだなぁ......と思います。


□今週は毎晩酒場に出掛け、出掛ける度にこの曲がというよりこのタイトルが頭に浮んでいました。
毎朝起きると、6ラウンド程を経て、負け続けているボクサーのような顔で、鏡を見ては笑う。目が開かない。

■酒場にて其の一
「タイトルが全て」とある人に言われる。以前はそうは思わなかった。今はその事がよくわかる。
「(アイデアが浮んだり、曲などできてもすぐに形にせず)しばらく、放っておくことが肝心なのよ」とも言われる。以前はそう思わなかった。忘れてしまうことが嫌だった。だけど、放っておくと、何をやっていてもそのことを常に頭のどこかで考えていることに気付く。頭の中で整理したり、前後させたり、具体的に形を成すための思考を繰り返している。
吉行淳之介が「締め切り日がくるまでなにも書かない」と言っていたことも、外山滋比古が「何か考えが浮んだらこれを寝かせておかなくてはならない」と言っていたことも、今はとても理解ができる。

□酒場にて其の二
「人前で臆せず、躊躇せず泣ける人というのは実は強い人だと思います」と言われる。
以外な返答に「何故ですか?」と聞き返すと「感情を抑え込むというのは簡単なことじゃないですか。人にどう見られても捉えられてもいいと思わなければ人前で泣くというのはなかなかできることではないと思う」と返ってきた。そういう捉え方もあるのかと感心してしまったが、できれば人前で泣くようなことは極力したくない。
隠れて泣くことが美学とも思わないが。

□酒場にて其の三
基本、一人酒が多いのだが、思い立って人を呼び出す癖がある。
呼び出したい人に突然電話やメールをするにもかかわらず皆きちんと返信をくれ、だいたい来てくれる。
特別話したい事があるわけではないのだが、(呼び出した)その人が隣で付き合ってくれ、また、私のどうでもいい話をなんとなく聞いてくれつつ、その人にしか応えることができないだろう切り口で会話のキャッチボールをしてくれる。毎回思うが、周りの友人、知人は博学でいて、頭がよく、優しい。私には備わっていないものをみな自然に(みせれるのもまた凄い)持っている。この〈優しい〉は、言うことをきいてくれるという類いの優しさではなく、辛辣な意見も、批評も、問いかけも全ての発言においておべっかを使わないというものです。友人知人の言葉には、メモせずとも忘れることがないものが多い。それなのに、私ときたら酔っぱらって調子のいいことを喋り倒し、翌日よく後悔している。体たらくぶり。


□酒場にて其の四
「洒脱」という言葉がこんなに似合う人が他にいるだろうかという人に会う。
また、こういう人が真逆のような人間である私とさえ会話がスムーズにできるということにひとしきり感心してしまう。こういう場での話上手、話下手の差はなんだろうと時々考える。聞き上手、下手もそうだ。
話し上手、聞き上手な人を一度じっくり観察したことがあった。するとあることに気付いた。
話し上手は、話していない個所での息継ぎが上手い。聞き上手も相手の息継ぎのタイミングをよく聞いている。
言葉を紡ぐスピードも微妙に調整している。息継ぎ(ブレス)というのは普段の会話の中であまり意識しないけれど、とても重要なのだと改めて思った夜。間の手のタイミングを間違うと相手から本当に聞きだしたい事が遠のくものなのだと思う。自分の(相手への)思いというものを伝えるのではなく、閉まっておく方が面白い話ができることもある。


■酒場にて 其の五
「音楽だけですよ、作品が出てそれを皆が皆賞賛しあうのは」「映画(監督)や本(作家)はどんなに作品を出し続けていても作品によって辛辣な批評だっていつでも出てくるのに」「音楽=作品という捉え方が希薄なのか」
〈わからない〉ものをとりあえず褒めておくというのは音楽に限ったことなのだろうかと、帰り道酔った頭で考えていたら電車を乗り過ごす。乗り過ごしてベンチに座りそんなことより、自身の次のアルバムをどうするのかを悶々と考えだしてしまい、また乗り過ごす。ダサい。こと自分の事となると何故こんなにも膜がかかったようになってしまうのかと深いため息しかでない。

晴れたり曇ったり、いそがしい一週間。






posted by 見汐麻衣 at 15:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする