2017年08月06日

昼に。

ある昼。

玄関のチャイムがなった。
インターフォンを覗くと知らない男性が映っている。
「はい。」「〇〇会社のものですが、インターネットの新しい回線のご案内です。」
「結構です。」「そうですか、また何かありましたら宜しくお願いします。」
「はい。すいません。暑い中ご苦労様です。」

ここで終わると思っていた。

「...本当に、暑いですね。」
「え?」
「すいません、いろんなお宅を回っていて、ご苦労様ですなんて言われたのが初めてだったので...。」
「あぁ、まぁ、営業は大変なんでしょうね。」
「営業自体初めての経験で...でも、仕事ですので。」
「頑張ってください。断っておいて何ですけど..。.」
「いえ、ありがとうございます!失礼します。」
画面に映ったそ人は20代後半か、溌剌とした感じのいい男性だった。
何気ないひとことに含まれる些細な気持ち。受け止められ方。受け止め方。
たった数分の会話からでも今の時代というものがわかるものなのだなとハッとする。

考えすぎか。今日も暑い...。

posted by 見汐麻衣 at 15:42| Comment(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月12日

あじさい

■よく電話をする日だった。
「誰かが言ってたけど人生はくちびるから生まれるんだって、すなわち言葉があんたを、人生を作るってことよ」
「ピンとキリ、どっちも知ってりゃ真ん中なんか簡単よって森繁久彌が言ってたよ」
なんとなく印象に残り覚えているふたつ。
誰かに言われたことばかりが言われた当時より最近になって身に染みる。染みるというより体当たりされている感じに近いのか。

□電話を切って昼食に出る。
食事をすませて帰路の途中、最寄駅近くにある富士見橋でぼんやりする。
今自分の住んでいる町があまり好きではないのだが、この場所だけは唯一好ましく思う。電車が流れていくのをぼんやりして眺めるだけの数分。
「〇〇しゃん、あのお花はあじしゃいですか?」という声がして隣を見ると、なんの気配もなくそこに突然現れた上品なお婆様と女の子が隣で電車を見ていた。(私がぼんやりしすぎているだけだが)
「そうよ、あじさいよ。」「かわいいね」「そうね」
なんともない平凡なやりとりに勝手に癒されていたのだが「なんであじしゃいはいっぱい咲いてるの?」女の子が私に聞いてきた。一瞬「え…?」と思うも突然で普通に答えてしまった。
「これからの時期、雨がたくさん降るときに電車が往来する線路に土砂崩れなんかあったら困るから、あじさいを植えてるんじゃないかとおもいます。あじさいは、根っこがふかくて梅雨の時期に咲く花だし、花も、正確には花びらじゃないんですけど、その色鮮やかさによって景観もよくなるだろうし、根っこが土砂崩れを防いでくれるからじゃないかと。」
「......」女の子はじーっと私を見たまま表情を変えずに凝視している。会釈して立ち去ろうとした時
「よくご存知なんですね。」と、お婆様。
「昔住んでいた家の庭にこれでもかというくらい咲いていた唯一の花だったので......」
「この近くでいらっしゃるの?」「いえ、九州の方です。」
「あら、そうなの。今はこの辺りですか?」「あー...はい。」
「ごめんなさいね、突然。」「いえ、お孫さんですか?」
「えぇ、ひい孫になります。」「ひい孫...」
「そう、ひい孫。」「(向田氏の本を持っている手を見て)向田さん、好きなの?」
「え?あ、はい。」「むかーしにお会いしたことあるわ」「え!そうなんですか。」「えぇ、もう随分前のことですけどね」「編集のお仕事かなにかされてらっしゃんたんですか?」「いえいえ、私じゃなくて主人がね。」「あぁ、そうなんですか。」「赤坂にね、ままやっていうお店があったのよ。」「あぁ、知っています。」「そこにね、よく行っていた時期があってね......」
まさかこんなところでそんな話になるとは思ってもなく、時間にすると10、15分位なのだがもっと長く話をしているような時間の流れ方だった。
その間、女の子はぐずることもせずにじっとあじさいを見ていて、
子供なのに、私よりも随分大人だなと思ってしまった。
別れ際お婆様が
「あなた、お名前なんておっしゃるの?失礼じゃなければ教えて頂ける?」と言われ
「あ、見汐です。見汐と言います。」と答えると
「いいお名前ね。名前はねその人の人生の題名だからね。」「題名ですか.....。」

お婆様と女の子と別れた帰り道、
そう言えば、お婆様はひい孫に自分の事を名前で呼ばせていたなと気づく。
「名前で呼んでもらえることがどれだけ幸せなことかをね、皆当たり前すぎてわかってらっしゃらないのかもしれませんね。」と最後に言っていたお婆様の名前はとても綺麗な名前だった。









posted by 見汐麻衣 at 14:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月06日

寿司日記

絵画などに全くと言っていいほど詳しくないが、
エドガードガが好きだ。
コーネリアスの「あなたがいるなら」
を聴いていて(その時の自分の具合もあるのだろうが)ドガの絵を好きと思うのと
同じ種類の好意が生まれずっと聴いている。
(「あなたがいるなら」が)どこかドガっぽいと思ったということなのですが、
そういった理由でひとつの曲をずっと聴くというのは初めてで、何故なのかと考えていましたが、
アルバムを聴いてからにしようと思うも、おまえそんな暇ないんじゃないのかと自分を責めておしまいというだけの日記。





posted by 見汐麻衣 at 18:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

紙と鉛筆、時々インク。

今週末、2本の演奏あります。

5月25日(木)@高円寺円盤
「うたう見汐麻衣」
START20:00 Charge¥1,500(1drink付き)
出演:見汐麻衣(歌)野田薫(ピアノ)

2回目の夜は「平岡精二の楽曲をうたう」です。数曲やります。

詳しくはこちらを読んでいただけたら嬉しいです。→うたう見汐麻衣


5月28日(日)@八丁堀七針
「mai mishio presents うたのしおり7」
開場18:00/開演18:30 予約2,500/当日3000
ACT
見汐麻衣
GUEST ACT
百々和宏(MO'SOME TONEBENDER)

ご予約は八丁堀七針までお願いします!yy@ftftftf.com (日程/お名前/枚数を明記の上ご送信ください)





■暑くなってきて、用事がない日はますます家から出ない日が続く。
また本ばかり読んでいる。あとは歌詞を書いている。
鉛筆を削って、紙に書く。何もできなくてもとにかく書く。書いて考えて、考えて書いてこれが何になるのかと一瞬嫌になってバカみたいだなと思って書く。誰かに期待されたいと思い書く。誰にも期待されなくてもいいやと思い書く。鉛筆で、左の手の側面が真っ黒になった時の心地よさ。その匂いを嗅ぐために書く。目的なんてなくっても書く。パンチラインが欲しいと書く。時々、人の歌詞や文章を模写して書く。そういう時はインクで書く。
インクで書くのと、鉛筆で書くのと、全然違う。一行でもいいから書くというのは大切だとこの頃は特に思う。

posted by 見汐麻衣 at 15:46| Comment(0) | TrackBack(0) | LIVE情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする