2016年05月14日

一週間に十日来い。

ほんと、いいタイトルだなぁ......と思います。


□今週は毎晩酒場に出掛け、出掛ける度にこの曲がというよりこのタイトルが頭に浮んでいました。
毎朝起きると、6ラウンド程を経て、負け続けているボクサーのような顔で、鏡を見ては笑う。目が開かない。

■酒場にて其の一
「タイトルが全て」とある人に言われる。以前はそうは思わなかった。今はその事がよくわかる。
「(アイデアが浮んだり、曲などできてもすぐに形にせず)しばらく、放っておくことが肝心なのよ」とも言われる。以前はそう思わなかった。忘れてしまうことが嫌だった。だけど、放っておくと、何をやっていてもそのことを常に頭のどこかで考えていることに気付く。頭の中で整理したり、前後させたり、具体的に形を成すための思考を繰り返している。
吉行淳之介が「締め切り日がくるまでなにも書かない」と言っていたことも、外山滋比古が「何か考えが浮んだらこれを寝かせておかなくてはならない」と言っていたことも、今はとても理解ができる。

□酒場にて其の二
「人前で臆せず、躊躇せず泣ける人というのは実は強い人だと思います」と言われる。
以外な返答に「何故ですか?」と聞き返すと「感情を抑え込むというのは簡単なことじゃないですか。人にどう見られても捉えられてもいいと思わなければ人前で泣くというのはなかなかできることではないと思う」と返ってきた。そういう捉え方もあるのかと感心してしまったが、できれば人前で泣くようなことは極力したくない。
隠れて泣くことが美学とも思わないが。

□酒場にて其の三
基本、一人酒が多いのだが、思い立って人を呼び出す癖がある。
呼び出したい人に突然電話やメールをするにもかかわらず皆きちんと返信をくれ、だいたい来てくれる。
特別話したい事があるわけではないのだが、(呼び出した)その人が隣で付き合ってくれ、また、私のどうでもいい話をなんとなく聞いてくれつつ、その人にしか応えることができないだろう切り口で会話のキャッチボールをしてくれる。毎回思うが、周りの友人、知人は博学でいて、頭がよく、優しい。私には備わっていないものをみな自然に(みせれるのもまた凄い)持っている。この〈優しい〉は、言うことをきいてくれるという類いの優しさではなく、辛辣な意見も、批評も、問いかけも全ての発言においておべっかを使わないというものです。友人知人の言葉には、メモせずとも忘れることがないものが多い。それなのに、私ときたら酔っぱらって調子のいいことを喋り倒し、翌日よく後悔している。体たらくぶり。


□酒場にて其の四
「洒脱」という言葉がこんなに似合う人が他にいるだろうかという人に会う。
また、こういう人が真逆のような人間である私とさえ会話がスムーズにできるということにひとしきり感心してしまう。こういう場での話上手、話下手の差はなんだろうと時々考える。聞き上手、下手もそうだ。
話し上手、聞き上手な人を一度じっくり観察したことがあった。するとあることに気付いた。
話し上手は、話していない個所での息継ぎが上手い。聞き上手も相手の息継ぎのタイミングをよく聞いている。
言葉を紡ぐスピードも微妙に調整している。息継ぎ(ブレス)というのは普段の会話の中であまり意識しないけれど、とても重要なのだと改めて思った夜。間の手のタイミングを間違うと相手から本当に聞きだしたい事が遠のくものなのだと思う。自分の(相手への)思いというものを伝えるのではなく、閉まっておく方が面白い話ができることもある。


■酒場にて 其の五
「音楽だけですよ、作品が出てそれを皆が皆賞賛しあうのは」「映画(監督)や本(作家)はどんなに作品を出し続けていても作品によって辛辣な批評だっていつでも出てくるのに」「音楽=作品という捉え方が希薄なのか」
〈わからない〉ものをとりあえず褒めておくというのは音楽に限ったことなのだろうかと、帰り道酔った頭で考えていたら電車を乗り過ごす。乗り過ごしてベンチに座りそんなことより、自身の次のアルバムをどうするのかを悶々と考えだしてしまい、また乗り過ごす。ダサい。こと自分の事となると何故こんなにも膜がかかったようになってしまうのかと深いため息しかでない。

晴れたり曇ったり、いそがしい一週間。






posted by 見汐麻衣 at 15:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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